お知らせ・コラム

中小企業のIT化の必要性

ここ数年、近隣の中小企業の皆様からご依頼を受けることが増えています。

多くの場合、企業関係のお仕事では、電子メールで連絡を行います。また、最近はZoom等のウェブミーティングも普及しつつあるので、簡単な打合せであればウェブミーティングで実施することも増えています。

それでもまだ、パソコンが使えないという企業からのご依頼も少なくありません。社内でパソコンが普及していないのに利益を出しているのはすごいことだと感心する反面、少しの投資でIT化を進めれば、生産性が飛躍的に増すだろうとも思います。

弊事務所は、法律事務所の中でも比較的ITツールを活用している方だと思いますが、今では様々なITツールがなくては仕事ができないくらいになっています。仕事のスピード感はもちろんのこと、ミスの防止という点でもITが必須となっています。

当事務所は法律事務所ですので、基本的には法律関係のご相談をお受けしておりますが、そうしたご相談に加えて、企業規模に応じたIT化の方法についてもある程度のご相談(雑談)に応じることは可能です。ご興味があれば是非ご相談ください。

企業の事業継続、倒産(破産・民事再生)|特に緊急で弁護士に相談して頂きたいケース

従業員の給料未払い(賃金未払)がある場合は、早期に弁護士に相談して下さい

 企業の経営者にとって、従業員の生活を守ることは最も重要な使命の一つです。しかし、多くの企業の倒産事件を見ていると、何ヶ月も賃金を支払っていない企業も決して珍しくはありません。本来、賃金支払は最も優先されるべき支払の一つであり、給料を支払えない時点でその企業の経営はほぼ破綻していると言っても良いでしょう。従業員の保護のためにも、早急に、専門家に相談して対応を検討すべきです。

事業継続か、倒産か

 事業を継続するためには、未払賃金を支払うことが大前提になります。給料を支払わなければ再建に向けた従業員の協力も得られません。つまり、賃金支払のための資金を確保する見通しが重要になります。基本的には事業計画を練り直して、金融機関と相談することになるでしょう。
 資金を確保する見通しが立たない場合は、残念ながら、倒産を選択することになります。そして、下記のような理由で、倒産をするのであれば、とにかく迅速な決断と処理が重要になってきます。

未払賃金立替払制度

 事業者(労災保険適用事業所)が破産した場合、未払賃金立替払の制度を利用すると、従業員が賃金の一部について立替払を受けられます。
 しかし、裁判所への破産手続開始申立てをした日から6か月以上前に退職(解雇)した従業員については、この制度は利用できません。
 つまり、解雇(事業停止等)をしてから6か月以内に裁判所に破産申立をしないと、従業員は受け取れるはずだった賃金を受け取れなくなってしまいます。事業者の破産申立は、準備だけで数か月かかるのが通常です。このため、賃金未払がある場合は、とにかく早期に弁護士に相談して下さい。

(参考)労働者健康安全機構のウェブサイト
https://www.johas.go.jp/chinginengo/miharai/tabid/687/Default.aspx

2020年8月の事務所営業日

 2020年8月は、事務所としての夏期休暇は設けず、暦通りの営業となります。
 8月11日から14日についても事務所は開いております(午前10時から午後5時)。もっとも、事務所スタッフが交代で休暇を取りますので、タイミングによっては担当者が不在のことがあるかもしれません。ご了承ください。

民事裁判手続のIT化

2020年から、日本でも、民事裁判手続のIT化が具体的に開始しました。

2020年8月の時点では、いくつかの裁判所で、打合せの手続がウェブ会議(Microsoft Teams)で実施できるようになっています。また、民事訴訟(裁判)だけでなく、労働審判でもウェブ会議の導入が進んでいます。

全国的に、今後数年かけて段階的にIT化を進めることになっており、数年後には、訴状も含めた裁判書類をオンライン提出できるようになる見込みです。

これまでの裁判業務は、印刷物をファックスで送るというのが基本形態で、様々な非効率が生じていました。本来、PCで作成した文書であれば、電子データでやり取りした方が送受信や文書内容の再利用等、様々な面で便利です。また、ウェブ会議が可能になることで、遠方の裁判所に出張しなければならない回数を大幅に減らせると予測されます。このことは、依頼者にとっては、交通費・日当といった負担の大幅な軽減につながります。

IT化が進んだ海外の裁判所に比べるとようやく開始したばかりではありますが、それでもこれから5年程度の間に裁判実務は大きく変化することになります。実務に対応する弁護士としても、常に最新情報を収集するように努めるとともに、できる限り依頼者の時間的・経済的な負担が少なくなるような事件処理を心がける必要があります。

中小企業の苦情対応体制構築をサポートします

 経済活動をする企業において、取引先や一般市民からの苦情に対する対応(クレーム対応)は避けては通れない問題です。苦情に対して適切に対応すれば企業の信用も向上しますが、不適切な対応をすれば信用が低下します。最近では、不適切対応の結果としてネットで「炎上」することもありますので、苦情処理をおろそかにすることによるリスクは、以前に比べても大きくなっているといえます。

 苦情対応で失敗する典型的な例として、苦情を申し出た相手を初めから「敵」とみなして反論してしまうパターンが挙げられます。しかし、実際には相手の言い分(クレーム)に理があることも多いわけですから、このような対応は得策ではありません。

 苦情対応の基本として、まずは、丁寧に話を聞くことが大切です。丁寧に話を聞くだけで解決するケースも少なくありません。

 ただ、丁寧に話を聞いてもどうしても解決しないケースもあります。その場合はどのように対応していくかについて、社内で十分な情報共有が必要になってきます。私がこれまでに体験したまずい対応のケースでは、対応する人ごとに言うことが微妙に違って、そのことがさらに誤解を招く、ということが起きていました。このような場合は、対応する窓口を決めるなどの方策を検討する必要があります。

 丁寧に対応したにも関わらず、残念ながら解決しないケースもあります。この段階まで至ってしまうと、社内全体で「相手が悪い」「ひどいクレーマー」といった共通認識を持ってしまいがちです。もちろん、実際にモンスタークレーマーと言われるような、もっぱら相手に問題のあるケースも少なくありませんし、そのようなケースでは毅然とした対応も求められます。

 ただ、同じ出来事でも、社内からの見え方と、外からの見え方とでは印象が違うこともあります。ひどい態様でクレームをつけられているケースでも、原因を見ていくと、初期の対応に誤りがあったようなケースもあります。このため、十分な検討を経ずに一方的に話を打ち切るなどしてしまうと、信頼低下のリスクが高まってしまいます。

 こうした場合は、第三者的な専門家の意見も聞きながら、「どのように」「どこまで」対応するかを判断していくのが良いでしょう。

 苦情対応体制を強化することで、企業にとっては、信頼性や顧客満足度の向上といったメリットが生じます。ネット上の口コミなどで(その適否はともかく)評判が目に見えるようになっている現代においては、これまで以上に、こうした点が企業の成長のために重要になってきます。

 弁護士は専門家として多くのトラブルを見てきていますので、体制構築の際には弁護士にも意見を聞いて頂けると、きっとお役に立てると思います。