_当事務所では、英文契約書の翻訳を多く取り扱っております。
英文契約書の翻訳におけるリスク
_英文契約書を日本語に直す際に、日本の法律知識がないと、「一見適切に訳せているが、内容が誤っている」訳文ができてしまうことがあります。例えば、lien という英単語を「英米法辞典」で引くと、「リーエン;先取特権;物的担保;留置権」という訳語が出てきます。先取特権、物的担保、留置権という法律用語の意味は異なります。つまり、翻訳者が日本語の物的担保、先取特権、留置権という用語の法律上の意味を正確に理解していなければ、適切な翻訳はできません。
契約書の翻訳は弁護士に依頼すべき
_一般の翻訳者が、翻訳の過程でこうした意味を理解しながら作業を進めようとしても、ほぼ不可能です(最も基本的な民法を理解するだけでも多大な時間がかかります)。契約書は、権利義務が直接発生する文書です。誤訳に基づいて多大な責任や損失が生じてしまうこともあります。
_このため、契約書の翻訳は、原則として弁護士がすべき作業であると考えます。少なくとも、弁護士が最終的に目を通してチェックするようにしないと、単語の誤訳だけでなく、全く意味の通らない文書ができあがってしまうことも多いのです。
_また、英文契約書を翻訳した場合、日本の法律に合致しているかどうかのチェックも必要になります。日本の法律に存在しない制度まで直訳で盛り込まれている契約書も少なくありませんが、そのような契約書では、問題が起きたときに対処できないことになります。
弁護士に契約書翻訳を依頼した場合のコスト
_翻訳業者に翻訳を依頼したうえでさらに弁護士にリーガルチェックしてもらうことも可能ですが、その場合は二重にお金がかかることになります。当事務所では翻訳を弁護士が行っていますので、弁護士が翻訳時に契約書の全容を把握していることになり、チェック費用を抑えることが可能です。なお、当事務所では他の翻訳業者が翻訳をした契約書のチェックも可能ですが、翻訳の品質に問題がある場合は改めて翻訳からご依頼をいただくことをお勧めすることもあります。