>中小企業の経営者の方は、仕事の獲得や資金繰りなどで大変な苦労をされていることと思います。
経営難に陥った際にすべきこと
>経営難に陥ると、焦るばかりで考えがまとまらないこともあるでしょう。それでも、半年先、1年先と、収益の見通しを整理して、冷静に考える必要があります。仕掛かりの仕事はどの程度あるのか、具体的な売上が、いつ、いくらくらい入ってくるのか。こうした売上見込みと毎月の経費とを比較して、将来的に事業を継続していけるかどうかを考えていきます。
>状況を整理した結果、何とか見通しが立つようであれば、金融機関に追加融資の相談をするなどして、事業の立て直しを図っていくことになります。
経営の見通しが立たない場合
>しかし、残念ながら見通しが立たないようであれば、すぐにでも、法的な整理も含めて検討すべきです。見通しも立たないのに無理な資金繰りをしても、問題の先延ばしになるだけです。
>たとえば、既に完了した仕事について、1か月後に80万円、2か月後に70万円の売掛金回収が見込まれるとします。これらの入金をあてに仕事を頑張ったとしても、その間の経費が200万円かかってしまえば、何にもなりません。このような場合は、早急に法的手続(破産など)を検討すべきです。
破産にかかるお金
>破産をするにしても、ある程度のお金はかかります。まだ稼働している法人と代表者の破産ということになれば、破産申立の費用だけでも100万円以上かかると考えた方がよいです。また、代表者の家族が引越しをするにも、数十万円のお金がかかります。上記のようなケースでは、やみくもに事業を継続するのではなく、早急に弁護士に相談をして、回収した150万円をこうした費用にあてるべきといえます。
絶対にしてはいけないこと
>経営難に陥ると、親族だけでなく友人・知人にまで金策をして回って、急場をしのごうとする経営者の方も少なくありません。しかし、多くの場合、破産を1、2か月遅らせることしかできず、友人・知人に迷惑をかけるだけになります。いずれ破産を免れないのであれば、早い段階で決断をして、第三者になるべく迷惑をかけない方向で処理することが望ましいといえるでしょう。
迷惑を最小限にした破産申立
>破産すると決めた後も、時間がかかります。仕掛かり工事の処理、事務所物件の明け渡し、倉庫の明け渡し、リース物件の処理、車両の処分、従業員対応など、いずれも処理を誤れば大きなトラブルとなり、関係者に必要以上の迷惑をかけることになります。こうしたことは、ある程度の経験を積んだ弁護士でないと、スムーズに処理することができないことがあります。また、破産は決してゴールではありません。破産して免責を受けた後に、経営者の方が能力や経験を活かし、様々な形で新たな社会貢献をできるようにするためにも、なるべく跡を濁さない形で処理することが望ましいといえます。
>破産は、時機を逸すると、経営者だけでなく、その他の関係者の被害もより大きくなってしまいます。少しでも破産という言葉が頭をよぎったら、早期に弁護士にご相談いただければと思います。当事務所では、「何が何でも破産」 という方針でお話しするのではなく、詳しい事情を伺った上で、そもそも破産が必要かどうか、他に採りうる手段がないかどうか、ということからアドバイスをさせていただきます。また、仮に破産の方針が固まった場合も、裁判所での手続を進めるだけでなく、代表者の方、御家族の方の生活及び将来のことも考えて、どのようにすればスムーズに処理できるかという観点からお手伝いをいたします。
弁護士にご相談ください
>まずは、弁護士と話をして、考えを整理するというだけでも構いません。当事務所では、破産に限らず、様々な解決の枠組みを検討してご提案することもできますので、ご相談ください。