2020年から、日本でも、民事裁判手続のIT化が具体的に開始しました。
2020年8月の時点では、いくつかの裁判所で、打合せの手続がウェブ会議(Microsoft Teams)で実施できるようになっています。また、民事訴訟(裁判)だけでなく、労働審判でもウェブ会議の導入が進んでいます。
全国的に、今後数年かけて段階的にIT化を進めることになっており、数年後には、訴状も含めた裁判書類をオンライン提出できるようになる見込みです。
これまでの裁判業務は、印刷物をファックスで送るというのが基本形態で、様々な非効率が生じていました。本来、PCで作成した文書であれば、電子データでやり取りした方が送受信や文書内容の再利用等、様々な面で便利です。また、ウェブ会議が可能になることで、遠方の裁判所に出張しなければならない回数を大幅に減らせると予測されます。このことは、依頼者にとっては、交通費・日当といった負担の大幅な軽減につながります。
IT化が進んだ海外の裁判所に比べるとようやく開始したばかりではありますが、それでもこれから5年程度の間に裁判実務は大きく変化することになります。実務に対応する弁護士としても、常に最新情報を収集するように努めるとともに、できる限り依頼者の時間的・経済的な負担が少なくなるような事件処理を心がける必要があります。