平成26年4月20日(日)に、川崎商工会議所で、遺産分割及び遺言の無料セミナーが開催されます(積水ハウス株式会社川崎支店主催、東京新聞TODAY後援)。このセミナーでは、弁護士の澄川が遺産分割の基礎知識についてお話します。
このセミナーに参加できない方でも、当事務所では、相続関係(遺産分割・遺言・相続放棄など)についてのご相談を随時受け付けております。御希望の方は、お電話または電子メールにてお問い合わせください。(電話044-276-8773、電子メール web@smkw.biz)
|英語でホームページを出していると、詐欺のSPAM(無差別迷惑メール)が大量に届きます。また、無差別のSPAMではなく、弁護士を対象にした詐欺のメールが届くこともあります。
|最近、こうした詐欺に引っかかったと見られる某国の弁護士からの問い合わせがありました。(以下の太字部分は英語でのやり取りです)
|某国の弁護士は、最初のメールで、
「〇〇県〇〇市の〇〇氏に費用を請求したいが払ってくれない。そちらに依頼すれば回収できるか?」
と聞いてきました。
|どうも内容がおかしいと感じたので、〇〇氏の氏名をネットで検索すると、弁護士相手の詐欺メールに記載されている氏名であることが分かりました。なお、詐欺メールに記載されている住所は、一応は日本に実在します。
参考URL https://antifraudintl.org/
|そこで、騙されてしまった某弁護士に対し、
「詐欺かもしれませんよ(URL教える)。駄目元でよければ調査してあげてもいいけれど、〇〇県まで行くとなると、日当込みで〇〇万円くらいかかりますよ。」
と回答したところ、
「こちらの国で何かあったときは手伝ってあげるから、成功報酬ベースでやってくれ」
と言ってきました。成功報酬ベースとは、某弁護士は最初に費用を払わず、実際に詐欺師からお金を回収できた場合にのみ報酬を払うということです。
|そんなことを言われても、回収できる可能性も低いですし、私としては今後そちらの国で何かある見込みもないので、応じられません。騙されてしまったのはお気の毒ですが、こんなことを言ってくる時点で「甘い」弁護士なのだろうという印象を受けました。
|ただ、気をつけなくてはいけないのは、弁護士であっても外国語だと騙されやすいということです。上記弁護士も、英語圏の人ではありません。母国語であれば、さすがに騙されることはなかったでしょう。
|弁護士でさえ騙されるのですから、一般企業の海外展開でも十分な注意が必要です。新規の取引先と外国語でやり取りをする際は、慎重に慎重を重ねる必要があります。口約束ではなく、契約書を作成すること。契約書の内容も、しっかり吟味すること。また、契約の際に、相手が「この後すぐに海外出張で飛行機に乗らなくてはいけない、時間がない」などと、サインを急かすことがあります。しかし、今後長く取引を続けようという大切な契約であれば、相手も、無理に急かすようなことはしません。ですので、どんなに急かされても、「内容を確認するまではサインできません」というのが基本姿勢となるでしょう。
|もちろん、現実には臨機応変に対応せざるを得ないこともありますが、そうしたことも含めて、まずは弁護士に相談していただければと思います。
次回の土曜法律相談会は、4月12日に行います。弁護士による通常相談は30分5400円(平成26年4月以降)ですが、土曜相談については当面30分3000円(税込)で行います。
平日は仕事でなかなか時間が取れない方や、相談をしたいけれど二の足を踏んでいる方など、この機会をどうぞご活用ください。
土曜相談をご利用するにあたっては、前日までの事前予約が必要です。先着順ですので、ご希望に添えない場合はご了承ください。
次回実施日:2014年4月12日(土)
時間:10:00 〜 17:00
費用:3000円/30分
取扱内容:交通事故、離婚、相続、遺言、労働、借金問題、企業法務、事業承継、その他
予約:メールまたは電話にて、要予約(先着順)
メールでご予約の場合、
(1)お名前、(2)ご希望時間(複数可)、(3)連絡先、(4)簡単なご相談内容、
をご記入ください。
お問い合わせ用フォームからの予約も可能です。
>「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という本があります(通称「赤い本」)。
>この「赤い本」は、交通事故の裁判・交渉などにおいて損害額を計算するための基準として利用されています。当事務所も、交通事故事件については重点的に扱っているため、この本を毎年購入しています。
>この「赤い本」の最新版(2014年版)が事務所に届きました。この本には、参考になる過去の裁判例が多数掲載されており、毎年、新たな裁判例の情報が追加されていきます。そして、2014年版の173頁に、私が原告代理人として担当した交通事故事件の裁判例が掲載されていました。私の弁護士人生の中で、とても強く印象に残っている事件です。(プライバシーの関係もありますので、基本的には判決から読み取れる部分のみご紹介します)
>この交通事故は、被害者が脇見運転の自動車に衝突されて数日間生死の狭間をさまよったケースでした。被害者の奥様は、それにより、筆舌に尽くしがたい辛さを味わいました。また、誠実に対応しない加害者運転手及び保険会社に対する強い怒りもありました。
>このため、最終的に交渉を打ち切って訴訟提起を決めた際に、弁護士から 「それだけ辛い思いをしたことを加害者に伝えるために、奥さんも原告として慰謝料を請求しましょう。裁判で認められる可能性は低いかもしれませんが、加害者に対する気持を整理するためにも請求した方がよいのではないでしょうか。」 と提案し、配偶者独自の慰謝料として100万円を請求することにしました。この請求をすることで、加害者に、自らが引き起こしたこととしっかりと向き合ってもらいたいという気持ちでした。
>加害者運転手や被害者奥様の法廷での尋問手続などを経て、判決では、被害者本人(夫)について670万円の慰謝料が認められただけでなく、奥様についても 「夫の死にも比肩し得べき精神的損害を被った」 として独自に100万円の慰謝料が認められました。判決書が事務所に届いて、この部分を読んだとき、「裁判所も辛さを理解してくれましたよ!」 と依頼者に早く伝えたい気持でいっぱいになりました。
>なお、この金額はあくまで慰謝料の話であって、この判決では、後遺障害の逸失利益等について、被告に約2920万円の支払義務が認められました。特筆すべきは、訴訟をする前に加害者側の保険会社が提示してきた金額はそれに遠く及ばなかったことです。裁判をすることで、実に、数倍の損害賠償が認められたことになります。
>世の中では、多数の交通事故が発生しています。そして、多くの被害者が、「保険会社が嘘をつくことはないだろう」 「大きい会社だから信用しても大丈夫だろう」 と考えて、加害者側の保険会社担当者に言われるがままに示談をしているものと思われます。しかし、残念ながら、この部分について保険会社は決して誠実ではありません。保険会社が、支払額を減らすために、被害者に不正確な説明をして示談するケースは珍しくありません。なかには被害者をクレーマー扱いするような保険会社さえあります。(このため、ご自身や身内の方が交通事故に遭ってしまった場合は、是非、一度は弁護士に相談をしてください。)
>この事件を受任してから和解にいたるまで、被害者のご夫婦とは4年以上のお付き合いとなりました。4年間の苦労の末に、依頼者が納得できる解決に至ったことで、弁護士としても非常に嬉しく印象に残っている事件です。特に、一審の判決で、奥様についても独自に100万円の慰謝料が認められたことは、とても嬉しい成果でした。
弁護士 澄川 圭