|英語でホームページを出していると、詐欺のSPAM(無差別迷惑メール)が大量に届きます。また、無差別のSPAMではなく、弁護士を対象にした詐欺のメールが届くこともあります。
|最近、こうした詐欺に引っかかったと見られる某国の弁護士からの問い合わせがありました。(以下の太字部分は英語でのやり取りです)
|某国の弁護士は、最初のメールで、
「〇〇県〇〇市の〇〇氏に費用を請求したいが払ってくれない。そちらに依頼すれば回収できるか?」
と聞いてきました。
|どうも内容がおかしいと感じたので、〇〇氏の氏名をネットで検索すると、弁護士相手の詐欺メールに記載されている氏名であることが分かりました。なお、詐欺メールに記載されている住所は、一応は日本に実在します。
参考URL https://antifraudintl.org/
|そこで、騙されてしまった某弁護士に対し、
「詐欺かもしれませんよ(URL教える)。駄目元でよければ調査してあげてもいいけれど、〇〇県まで行くとなると、日当込みで〇〇万円くらいかかりますよ。」
と回答したところ、
「こちらの国で何かあったときは手伝ってあげるから、成功報酬ベースでやってくれ」
と言ってきました。成功報酬ベースとは、某弁護士は最初に費用を払わず、実際に詐欺師からお金を回収できた場合にのみ報酬を払うということです。
|そんなことを言われても、回収できる可能性も低いですし、私としては今後そちらの国で何かある見込みもないので、応じられません。騙されてしまったのはお気の毒ですが、こんなことを言ってくる時点で「甘い」弁護士なのだろうという印象を受けました。
|ただ、気をつけなくてはいけないのは、弁護士であっても外国語だと騙されやすいということです。上記弁護士も、英語圏の人ではありません。母国語であれば、さすがに騙されることはなかったでしょう。
|弁護士でさえ騙されるのですから、一般企業の海外展開でも十分な注意が必要です。新規の取引先と外国語でやり取りをする際は、慎重に慎重を重ねる必要があります。口約束ではなく、契約書を作成すること。契約書の内容も、しっかり吟味すること。また、契約の際に、相手が「この後すぐに海外出張で飛行機に乗らなくてはいけない、時間がない」などと、サインを急かすことがあります。しかし、今後長く取引を続けようという大切な契約であれば、相手も、無理に急かすようなことはしません。ですので、どんなに急かされても、「内容を確認するまではサインできません」というのが基本姿勢となるでしょう。
|もちろん、現実には臨機応変に対応せざるを得ないこともありますが、そうしたことも含めて、まずは弁護士に相談していただければと思います。