◇弁護士の澄川です。
◇私が業界外の方々と飲みに行くときにお話しするいくつかのネタがあります。その1つが、「自動車保険の弁護士費用特約」のお話しです。
◇自動車保険に入る際に、年数百円~数千円の特約に加入すると、事故に遭ったときの弁護士費用を保険会社が負担してくれます(上限300万円)。
◇日本では、仮に交通事故の被害者であっても、自分が依頼した弁護士の費用は自分で支払わなくてはいけません。損害賠償請求の裁判までして勝訴すれば、加害者に弁護士費用を支払わせることができますが、それも損害額の1割だけで、全額が支払われるわけではありません(一般的な弁護士費用は、金額により損害額の15パーセントから24パーセント程度ですから、1割では足りません)。
◇では、弁護士に依頼せずに自分で処理しようとすると、どうなるでしょうか。仮に加害者が保険に入っていて、相手の保険会社が丁寧に対応してくれたとしても、安心できるわけではありません。交通事故の損害賠償についてはいくつかの基準があり、保険会社との任意交渉では、本来支払われるべき金額の数分の一しか支払われないことも珍しくないのです。こと交通事故に関しては、必ず弁護士に相談するべきといえます。
◇このため、自動車保険に加入するのであれば、弁護士費用特約を必ず付けておくべきです。また、既に自動車保険に加入されている方は、是非一度、ご自身の保険を見直してみてください。私自身も、自分の保険に弁護士費用特約をつけています(自分で自分の事件をやってもストレスがたまるばかりで1円にもなりませんので)。弁護士でさえこの特約をつけているということは、是非認識しておいていただければと思います。