株式会社や合同会社について、日本語での一般的な読み仮名は「かぶしきがいしゃ」「ごうどうがいしゃ」です。ところが、英語表記にする際には「Kabushiki-Kaisha」や「Goudou-Kaisha」といった具合に濁点のつかない「かいしゃ」という読みにすることがあります。
法務省が公開している会社法の英訳でも、以下のようになっています。
第二章 会社の商号
(商号)
第六条 会社は、その名称を商号とする。
2 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。
Chapter II Trade Name of Company
(Trade Name)
Article 6
(1) The name of a Company is its trade name.
(2) A Company must use in its trade name the words “Kabushiki-Kaisha”, “Gomei-Kaisha”, “Goushi-Kaisha” or “Goudou-Kaisha” respectively for Stock Company, General Partnership Company, Limited Partnership Company or Limited Liability Company.
日本語では、漢字名の読み仮名について公式に定められていないことも多く、国際取引をする際には様々な問題があります。
そもそも、人の氏名でさえ、漢字をどのように読むかは戸籍にも住民票にも記載されません。当事務所には、海外から債権回収の依頼が届くことがありますが、多くの場合は債務者のローマ字しか分からないので、戸籍や住民票による所在調査自体が困難なことも少なくありません。国際化が急速に進むにつれて、こうした読み仮名の問題も顕在化してくると思われます。