現在、新型コロナウイルスの関係で、外出自粛が要請されており、役所や金融機関に行くのもはばかられる状況の方もいらっしゃると思います。
このような状況でも、法的に短い期間が定められている手続については、気をつけて準備をしておく必要があります。その一つが、相続放棄です。
相続放棄とは、親族が亡くなって相続が発生した際に、「相続を始めからしない」ための手続です。亡くなった方が債務超過であるような場合に利用されます。
この相続放棄は、ご自身が相続人になったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所で手続をする必要があります。3か月が経過してしまうと、相続することを承認したとみなされてしまい、亡くなった方の借金も引き継ぐことになってしまいます。(借金の存在を知らなかったなどの事情がある場合は期間経過後にも相続放棄ができることもありますが、後のトラブルを防ぐためには、3か月以内にしておくに越したことはありません。)
このため、外出自粛がされている間も、相続放棄についてはしっかりと調査・検討して準備を進める必要があります。
なお、この3か月の期間を延長(伸長)する手続をとることも可能ですので、財産状況の調査や検討が間に合わない場合は、家庭裁判所で期間伸長の手続をとるようにしてください。
相続放棄手続については、ご自身で対応することも可能です。ただ、そもそも相続放棄をすべきケースなのか等、判断が難しいこともありますので、弁護士に相談されることをお勧めします。