カスタマーハラスメントに対する基本方針

2026年(令和8年)10月1日
澄川法律事務所

はじめに

当事務所は、ご依頼者様をはじめ、当事務所に関わるすべての皆様に誠実で質の高い法的サービスを提供することを使命としております。お寄せいただくご意見・ご要望は、業務改善のための貴重な機会として真摯に受け止めます。

しかしながら、ごく一部の方から、当事務所の弁護士及び事務職員(以下「所員」といいます。)に対する不当・過剰な要求や、人格を否定する暴言・威嚇・脅迫等の行為がなされることがあります。このような行為は、所員の人格と尊厳を傷つけるだけでなく、他のご依頼者様の事件処理にも支障を及ぼしかねません。

そこで当事務所は、所員の人権が尊重され、安心して業務に専念できる環境を確保し、もってすべてのご依頼者様に適正な法的サービスを提供し続けるため、本基本方針を定めます。

カスタマーハラスメントの定義と対象者

厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」(2022年2月)を踏まえ、当事務所に寄せられるクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により所員の就業環境が害されるものを、カスタマーハラスメントと定義します。

本方針は、次の方による行為を対象とします。

  • ご依頼者様(ご依頼者様のご家族・関係者を含みます。)
  • 法律相談のご予約者・ご相談者様
  • 受任事件の相手方及びその関係者
  • その他、来所、電話、電子メール、書面、SNS等により当事務所と接点を持つすべての方

なお、事件処理の方針・進捗・報酬等についてのご質問、ご意見、ご不満を述べられること自体は正当な権利であり、本方針の対象ではありません。当事務所は、要求の内容と、その伝え方(手段・態様)の双方に照らして判断します。

対象となる行為例

以下は例示であり、これらに限られるものではありません。身体に対する不法な有形力の行使は、理由のいかんを問わず暴行罪・傷害罪等に該当します。有形力の行使に至らない言動も、その内容・程度により、脅迫罪、恐喝罪、強要罪、名誉毀損罪、侮辱罪、威力業務妨害罪等に該当し得るほか、民事上の不法行為として損害賠償請求の対象となります。

1 要求内容の妥当性を欠くもの

  • 証拠の偽造・隠滅、虚偽の主張、相手方への威迫など、違法又は弁護士の職務上許されない方法による事件処理の要求
  • 勝訴や特定の結果を保証するよう求める要求
  • 委任契約の範囲外の業務を、契約の変更や追加費用なく行うよう求める要求
  • 合意した報酬・費用の根拠のない減額・返還の要求
  • 受任事件の相手方による、相手方代理人である当事務所への不当な要求(依頼者の秘密の開示要求、依頼者との交渉の仲介強要等)
  • その他、当事務所が対応し得ない事項、所定の手続を逸脱した過剰な要求

2 要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当な言動

  • 身体を掴む、服を引っ張る、物を投げつけるなどの暴行・傷害行為
  • 大声を出す、机を叩く、蹴る等の威嚇行為、威圧的な言動
  • 所員の人格を否定する発言、差別的な発言、性的な発言、誹謗中傷
  • やりとりを録音・撮影してマスコミに提供する、インターネット上に公開する等と告げる脅迫行為
  • 所員の氏名・顔写真その他の個人情報をインターネット上等に公開する行為
  • 反社会的勢力とのつながりをほのめかす言動
  • 根拠のないことを知りながら懲戒請求や告訴を行う旨を告げ、要求を通そうとする行為
  • 同じ説明や謝罪を繰り返し求める行為、一度の来所・電話で同じ言動を繰り返すこと
  • 長時間にわたる電話・面談、不退去、居座り
  • 執拗な来所・架電(無言電話を含みます。)、電子メール・書簡の大量送付
  • 業務時間外や所員個人の携帯電話・SNSへの連絡の強要
  • 所員の自宅・私生活への接近、つきまとい等の嫌がらせ
  • その他、所員に精神的苦痛を与える違法・不当な言動

当事務所の対応方針

カスタマーハラスメントが確認された場合、当事務所はその場での対応を打ち切り、事務所からの退去をお願いします。所員での対応が困難と判断したときは、速やかに警察又はビル管理会社・警備会社に通報します。

法律相談・新規のご依頼

法律相談の中止、及び以後の法律相談・事件のお引受けをお断りすることがあります。

受任中の事件

ご依頼者様による行為により信頼関係が失われ、その回復が困難と判断した場合は、弁護士職務基本規程に従いその旨をご説明のうえ、辞任(委任契約の解除)その他の適切な措置をとります。辞任に際しては、ご依頼者様の権利が不当に害されないよう、期日・期限の管理や記録の引継ぎ等に配慮します。

相手方による行為

受任事件の相手方及びその関係者による行為については、書面による連絡への限定、面談・架電への応対の制限等の措置をとり、必要に応じて警告書の送付、所属弁護士会への相談その他法的措置を講じます。

連絡方法の制限

以後の来所、電話、電子メール等による連絡をお断りし、又は書面のみに限定させていただく場合があります。

法的措置

犯罪に該当し得る行為については、直ちに警察に通報し、被害届の提出、告訴等により毅然と対応します。民事上の不法行為に該当する行為については、損害賠償請求、接近禁止・架電禁止等の仮処分を含め、厳正に対処します。インターネット上に所員の個人名等が公開されたことが判明した場合は、削除請求、発信者情報開示請求その他の法的措置を講じます。

所員の保護と事務所の体制

当事務所は、カスタマーハラスメントから所員を守るため、次の取組みを行います。

  • 事案発生時は所員個人に対応を委ねず、担当弁護士又は代表弁護士が組織として対応します。
  • 所員が相談・報告できる窓口を設け、相談したことを理由とする不利益な取扱いはいたしません。
  • 被害を受けた所員の心身のケアに配慮します。
  • 事実確認と対応の適正のため、通話・面談の記録を作成し、必要に応じて録音を行うことがあります。
  • 警察等への通報や法的措置に際しては、ご依頼者様の秘密の保持に十分配慮します。

正当なご意見・ご不満について

事件処理や報酬についてのご不満は、まず担当弁護士又は代表弁護士にお申し出ください。当事務所内での解決が難しい場合には、所属弁護士会の紛議調停・市民窓口をご利用いただくこともできます。当事務所は、正当なご意見には誠実に対応いたします。

以上